泣きたい夜には…~Shingo~



「慎吾!」


ひとみが慌てた様子でやって来た。


よし!もうこれで大丈夫。


ひとみはきっと浅倉マジックを起こしてくれる。


ひとみに状況を話し、心配蘇生をしていること、女将がAEDを取りに行っていることを説明した。


ひとみは老人の胸に耳を当て、頸動脈に触れると厳しい表情に変わり、


「うん、心筋梗塞だね。ナイス判断!後は私に任せて!」


そう言うと、慣れた手つきで心肺蘇生を行っていった。


さすがプロ、全然違う…


背後でパタパタと草履の音が近づいてきた。


「AEDをお持ちしました!!!!」


女将が髪を振り乱してAEDを持ってきた。


俺はそれを受け取り、すぐに電源を入れた。


「大丈夫、絶対助ける」


ひとみは老人の浴衣の胸を大きく開き、パッドを貼った。


「危ないですから、下がってください!!!」


ひとみが治療しやすいように増え続ける野次馬の整理に専念した。


ひとみの心肺蘇生法が良かったのか、電気ショックを2回行った後、心臓が動き出した。



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