夢のような恋だった


翌日、シナリオを進めている私のところに、琉依ちゃんからのメールが届く。


【紗優ねえちゃんたち何やってんの】


何って言われても。
いきなりこれでは聞かれている内容も分からない。


【何って何が?】

【お兄ちゃんと話し合ったんでしょ?】


ポンポンとメールが返ってくるので、打つのが面倒くさくなって電話に変える。


「もしもし、琉依ちゃん?」

『紗優ねえちゃん、ラインしなよー。メール、なんか面倒くさい』

「ラインだってメールじゃないの」

『会話が見れるから楽なの』


高校生らしいあっけらかんとした口調で返した琉依ちゃんは『ところでさ』と話を戻した。


『お兄ちゃんと話したんでしょ? どうなってるの? お兄ちゃんに聞いてもなんかはっきりしたこと言わないんだけど』


さすが琉依ちゃん。既に情報を入手しているのね。


「仲直りは出来た、……と思う」

『うん。で、どうなったの。ヨリ戻したの?』

「えっと。……いや、そこまでは」


なってない……と思う。
会いたかったは言ってくれたけど、その言葉にそこまで図々しくはなれない。

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