Queen of the Night
「大丈夫?」


地面に倒れる寸前、男はさしていた傘を投げ、あたしの体を受け止めていた。


『…大丈夫です。
だからもうほっといてください。』


「…はぁ、あんたのどこ見て大丈夫なんて言えるんだよ。
悪いけど、あんたを連れていく。」


男はそう言ったとおもうと、あたしを抱え立ち上がる。


『ちょっと、おろしてください!』


「んー、無理。」


あたしは意地でも降りようとするが、
雨に濡れたためか、体に力が入らない。


「あきらめな。
今から、俺たちのとこに行くから。
その体じゃ風邪引くだろうし。」


男はそのままスタスタ歩き出す。


『…あたしに関わると、危険ですよ。』


あたしは、半ば諦めるも、その言葉を男に言う。

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