Queen of the Night
「正確には消せる者を知っている。
さ、どおする?」


あたしは悩んだ。
この刻印は、憎くて仕方が無いもの。

消せるのなら消したい。

だけど、この男を、
全ての人を信用することは出来ない。

もうあんな思いはしたくないから。

でも、本当に消せるのなら。


『……わかりました。』


あたしがそう小声で言うと、アルヴィスはニコッと笑った。


「話はついた。
今日から俺たちの仲間だ。」


その言葉に、レイラは喜ぶも、赤髪の少女は不貞腐れる。


「そんな簡単に決めていーの、アルヴィス!」


「団長である俺が決めたんだ。
みんなを食堂へ。」


こうしてあたしは、一時的に、
あくまで一時的にこの人たちといることになった。



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