黄昏に香る音色 2
「お姉様…」

部屋の前で、待っていたジュリア。

ティアは、目が見えないティアの腕を取ると、

「いくわよ。ジュリア…」

ティアは、歩き出した。

「もうこの国に、用はないわ…」

ティアに手を引かれながら、

ジュリアはきいた。

「お姉様…どこにいくんですか?」


「アメリカ」

ティアは無表情で、ぶっきらぼうに言った。

「アメリカ?」

ジュリアは、知らない国だった。

「そう。あたしたちの…敵がいる場所よ」

ティアは、唇を噛み締めた。
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