天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「あ、綾子ちゃん…」

衝撃で、明菜は次元刀を離してしまった。

慌てて、次元刀を掴もうとする明菜は、綾子が足で踏んでいることに気付いた。

しかし、綾子は次元刀を蹴り返した。

地面を滑ってくる次元刀を手に取り、明菜は中腰で剣先を綾子に向けた。

しかし、綾子はそんな明菜を無視して、後方にそびえる発電所内を見つめた。

「原子炉が止まっている…」

綾子の両目が赤く光る。

「山根達の反応も…おかしい?」

綾子は訝しげに、発電所を見ると、

「まあ…いいわ…」

右手を発電所に向けた。

「…破壊すればいいんだから…」

右手も赤く光りだし、凄まじい力が発生していくのを…明菜でも感じられた。

明菜は立ち上がると、綾子の右手の対角線上に、回り込んだ。


「何のつもりかしら?」

明菜の行動に、綾子は不愉快そうに、顔をしかめた。

「ここを破壊なんて…させない!」

明菜は両手で、次元刀をにぎゅっと握り締め、綾子の目を睨んだ。

「フン」

綾子は鼻で笑った。

そして、さらに右手に力を込めた。赤い光球が、右手を包む。

「そういうことはね!」

綾子は、さらに力を込める。

「守る力が、ある者が言う台詞なんだよ!」

綾子の叫びとともに、光球は絶望的な力を示しながら、明菜に向けて…放たれた。



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