天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
お母様を見送った後、あたしはチェンジ・ザ・ハートを手にただ嬉しさを隠し切れずに、

サラとギラと組み手を行なっていた。

「うりぁあ」

チェンジ・ザ・ハートをどう使っていいのか、わからなかった。

最初、お母様のようにライトニングソードにしょうとしたが、

あたしにはできなかった。

「この武器は、使い手の思考で、形が変わるといいます。アルテミア様の考えで、使ってみては如何かと」

サラの言葉に、2つの筒を回転させると、トンファーのようになった。

あたしは、トンファーを振り回し、ギラに向かう。

「フン!」

ギラの気合いをかわすと、回し蹴りを首筋にたたき込んだ。

「…アルテミア様は、接近戦がお好きですな」

少しぐらつきながらも、ギラは笑っていた。

「だって、お前らには、あたしの雷撃は効かないし」

ギラから離れ、着地したあたしは、不満げに口を尖らせた。

「それは…我等は天空の騎士団長なれば、雷撃でダメージを受けることは…」

ギラは首を回しながら、

「しかしですな。アルテミア様が、全力で来たならば、我等もただでは、すみますまいて」


「そうか?」

あたしは拳を握りしめ、思い切り力をためてみた。


自分でも驚く程の電気が、発生した。

その輝きに、ギラは冷や汗を流した。

「さすがは…天空の女神」


「ギラ!サラ!いくわよ」

あたしは、二人に向かって、雷撃を放った。



そんなあたしの様子を、バイラだけは腕を組み、ただ見守っていた。

視線は、あたしではなく…チェンジ・ザ・ハートをとらえていた。


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