天空のエトランゼ{Spear Of Thunder}
「舐めるな!」
五脚の椅子が、十夜の視界をふさいだ。
しかし、十夜は二本の刃を振るい、すべて一瞬で斬り裂いた。
視界が開いた十夜は、九鬼を睨んだ。
「!?」
が、九鬼の姿がなかった。
その代わり…十夜の腰元まで繋がった机の上を、疾走する影を一瞬、目がとらえた。
十夜が反応し、その影を斬るより速く、
その影は、十夜の鳩尾に激突した。
影は九鬼だった。
九鬼の蹴りが、十夜をふき飛ばしたのだ。
「な!」
驚いた十夜がまたふらつくと、九鬼は上半身を起こし、
彼女の懐に飛び込んだ。
そして、十夜のすぐ前の机の上で中腰になると、両肘を突きだした。
そして、十夜の刃の付け根を押し戻すと、斬られることを防いだ。
関節を押さえられた為に、十夜の刃を振るうことができない。
「まだだ!」
十夜は顔をしかめながらも、何とか痛み堪え、腕を動かし、押さえられているポイントをずらそうとした。
「ハッ!」
気合いとともに、九鬼は飛び膝蹴りを、十夜の顎に 叩き込み、
さらに身を入れると、タックルのように肩をぶつけた。
ふっ飛んで、後ろにふらついた十夜は、両手を広げる形になってしまった。
九鬼は、板を張った床に着地すると同時に、正拳突きを繰り出すように、
まっすぐに足を突きだした。
丸太をぶつけられたような衝撃を受け、
空中を飛んでいくように、十夜の体が浮かび…そのまま扉にぶつかった。
そして、扉を突き破ると、十夜は背中から響子の血溜まりの上に、倒れた。
「ば、馬鹿な…」
十夜はまったく自分を寄せ付けない九鬼の強さに、驚愕した。
背中と腹や鳩尾の痛みだけではなく、
両手の刃の為、十夜はすぐに立ち上がることはできなかった。
何とか顔を上げ、九鬼を探すと、
目の前にはいなかった。
「どこだ!」
叫んだ十夜の耳に、廊下のコンクリートの床を歩く音が聞こえた。
十夜は目を見開き、音がする方を見ると、
変身を解いた九鬼が、歩いていく姿が映った。
五脚の椅子が、十夜の視界をふさいだ。
しかし、十夜は二本の刃を振るい、すべて一瞬で斬り裂いた。
視界が開いた十夜は、九鬼を睨んだ。
「!?」
が、九鬼の姿がなかった。
その代わり…十夜の腰元まで繋がった机の上を、疾走する影を一瞬、目がとらえた。
十夜が反応し、その影を斬るより速く、
その影は、十夜の鳩尾に激突した。
影は九鬼だった。
九鬼の蹴りが、十夜をふき飛ばしたのだ。
「な!」
驚いた十夜がまたふらつくと、九鬼は上半身を起こし、
彼女の懐に飛び込んだ。
そして、十夜のすぐ前の机の上で中腰になると、両肘を突きだした。
そして、十夜の刃の付け根を押し戻すと、斬られることを防いだ。
関節を押さえられた為に、十夜の刃を振るうことができない。
「まだだ!」
十夜は顔をしかめながらも、何とか痛み堪え、腕を動かし、押さえられているポイントをずらそうとした。
「ハッ!」
気合いとともに、九鬼は飛び膝蹴りを、十夜の顎に 叩き込み、
さらに身を入れると、タックルのように肩をぶつけた。
ふっ飛んで、後ろにふらついた十夜は、両手を広げる形になってしまった。
九鬼は、板を張った床に着地すると同時に、正拳突きを繰り出すように、
まっすぐに足を突きだした。
丸太をぶつけられたような衝撃を受け、
空中を飛んでいくように、十夜の体が浮かび…そのまま扉にぶつかった。
そして、扉を突き破ると、十夜は背中から響子の血溜まりの上に、倒れた。
「ば、馬鹿な…」
十夜はまったく自分を寄せ付けない九鬼の強さに、驚愕した。
背中と腹や鳩尾の痛みだけではなく、
両手の刃の為、十夜はすぐに立ち上がることはできなかった。
何とか顔を上げ、九鬼を探すと、
目の前にはいなかった。
「どこだ!」
叫んだ十夜の耳に、廊下のコンクリートの床を歩く音が聞こえた。
十夜は目を見開き、音がする方を見ると、
変身を解いた九鬼が、歩いていく姿が映った。