うそつきは恋のはじまり





「た、大っっ変申し訳ございませんでした!!!」



一度落ち着こうかとソファに腰を下ろした彼方くんのご両親に、私は冷たいフローリングの上で床に頭をぶつける勢いで土下座をした。



ど、ど、ど……どうしよう!!

まさか彼方くんとイチャイチャしている時にご両親が帰ってくるなんて!しかもばっちり目撃されるなんて!

手土産なしとか挨拶がまだとか。そんな話のほうがまだ可愛いよ!笑えないよ!完全にふしだらな女だよ!!!

怒られるかもしれない……ちゃぶ台返しでは済まないかもしれないっ……!



「七恵、土下座とかいいから」

「でもそういうわけにはっ……」

「そうそう、そんなに謝らないで。頭を上げて?」



ガクガクと震えながら土下座を続ける私に、かけられた言葉は彼方くんの一言と彼方くんのお母さんの優しい一言。



「で、でも……」

「こっちこそごめんなさいねぇ、いいところで突然邪魔しちゃって」

「でも真っ最中じゃなかっただけマシだろ!いやー、ある意味グッドタイミングだよな!」

「親父は黙っててくれる?」



恐る恐る頭を上げると優しく笑うお母さんの隣では、お父さんがゲラゲラと笑い、向かいの彼方くんがキッと睨む。

あ、あれ……これはこれで彼方くんのご両親らしい雰囲気ではあるけれど、予想とは少し違うというか……。


< 200 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop