うそつきは恋のはじまり
「か、川崎七恵と申します!彼方くんとは三ヶ月ほどお付き合いをさせていただいていましてっ……先程は大変お見苦しいところをお見せして申し訳ございませんでした!ですがまだなにもしていません!キスまでしかしていませんし成人するまでは手出ししません!誓います!!」
「……ぷっ」
ところがそんな私の挨拶に返されたのは小さな笑い声。
「ぶっ、ははは!あははは!すげー挨拶!うけるー!」
「へ??」
次の瞬間にはお父さんはお腹を抱えて笑っており、これまた予想外の反応に下げた頭を上げきょとんとしてしまう。
「康之、笑いすぎ」
「だってさ、親に向かってそんな開けっぴろげに話してくれちゃって……素直なんたろうけどさぁ、あー苦しい」
「す、すみません……!」
どうやら私の言い方がよほどストレートだったらしい。お父さんは笑いすぎて涙まで出ている。
「んな構えなくていいぜ?彼方に年上の彼女がいる、ってのは聞いてたから」
「え?誰から?」
「美紅だよ、美紅。ちょっと前に行きあったんだって?『友達、って言ってたけど絶対彼女だと思う!彼方も大人になったねぇ』って感激して言ってたからな」
美紅……さん、って確か前に彼方くんと街を歩いていたときに行きあった小柄な女の子、だよね。
そういえばこのお父さんの妹さんなんだっけ……似てないなぁ。って、彼女だってバレていたんだ!するどい!
ちら、と隣を見れば彼方くんは『バレてた……』とでもいうように少し照れ臭そうに頭をかいた。