うそつきは恋のはじまり



「……なら、よかった」

「やっぱ俺の息子だな、女を見る目は確かだ!いやー、よかった!」



そしてご両親は揃って頭を小さく下げた。



「彼方を、よろしくお願いします」



それは、私を認めてくれたということ?そのことが嬉しくて、つい涙がぼろぼろとこぼれ出す。



「えっ!?七恵さん!?」

「こちらこそ、ふつつかものですがっ……っ、ぐすっ、うぅ〜……」

「わー!泣かないで!よしよし!」

「ずびばぜんっ……うれしくてぇ、うわぁぁ〜んっ……」



子供のように泣き出す私に、彼方くんのお母さんは優しく頭を撫でてくれて、お父さんはまたお腹を抱えて笑った。

戻ってきた彼方くんは驚いて戸惑っていたけれど、事情を察すると優しく私の涙を拭ってくれた。



私のことまで気にかけて、受け入れてくれたご両親。やっぱり、彼方くんの家族だ。心の広い人々に愛情いっぱいに育てられたのだろうことを、感じられる。

ねぇ、彼方くん。何年後になっても、何十年後になっても、そばにいるって私も誓うから。

あなたと、こんなあたたかな家庭を、作りたい。



まだ今はきっと、見えない未来の夢物語。だけど『いつか』、その日まで、あなたの大きな手を握って歩こう。





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