重なり合う、ふたつの傷


「梨織がもし、子供に虐待するような事があったら、俺が止める。俺がそんな事させないから」


「うんっ」


私の目から涙が溢れた。まるで生まれ変わったかのように。

そうか、私は一度人魚になって生まれ変わったんだ。

もう斜めに見るのはやめよう。

自分で世界を歪ませてなんていたら、生きている今が勿体ない。


もし、天野くんが運動会で走れなくても大丈夫だよ。

その時は私が走る。

体力だけは自信があるから。


二人で支え合いながら、今を生きていたら、きっと幸せになれる。


初めて私の予感を察知するアンテナが反応を示した。





< 189 / 209 >

この作品をシェア

pagetop