不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~



湯船に浸かり

――



ガチャッ!

ん?

「親父」

風呂場のドアが開いて親父が入って来た。

「俺も入るぞ」

「あ、ん」

珍しい。

旅行以外で親父と風呂に入るなんて何年ぶりだ?

かけ湯をして

「涼、背中を流せ」

えっ?マジかよ。

「ほら早くする」

「へいへい」

湯船から出てタオルにポディソープを垂らして親父の背中を擦る。

「陽菜の具合は?」

どうせ陽菜のことを俺に話そうとして風呂場に来たんだろう。

「ん。朝には下がった」

「泉叔母さんに診てもらったんだろ?」

「あぁ。もうちょっと力を入れろ」

「で?」

力を思いきり込めて擦る。

「おい、入れすぎだ。ほんとに加減ってもんを知らん奴だな」

親父に言われたくない。



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