【完】ワガママクイーン
その頃、俺には奈緒という彼女がいた
そして、”その時”はやってきた。



「奈緒!お待たせ、家まで送るよ!」



「あ、優・・・。ありがとう・・・でも・・・」



「ん?」



「今日はいいよ・・・というより、これからも・・・」


最後の方は聞こえるか聞こえないか位の音量で言った。



「え・・・。どうして・・・」



「・・・。他に好きな人ができたの!別れよ?」



一瞬目の前が真っ暗になった。



「好きな奴って・・・。誰・・・?」



「優の・・・知ってる人・・・」



「リク・・・か・・・?」



俺はいつの間にかその名前を出していた。



「うん・・・」



「そうか・・・。やっぱり、モテるからか・・・?」



「そういう意味じゃないけど・・・そう」



「そうか。わかった・・・別れるよ」



「うん。ごめんね・・・」



奈緒はそう言い残すと一人で歩いて行った。


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