じゃあなんでキスしたんですか?
わたしの顔が、わたしの声で叫んでる。
ミヤコより、マイのほうがいいんだよ。
「もうずっと、こっち見てるの。照れを通り越して呆れちゃうよね」
「やめて」
わたしの声を無視し、妹はストッパーが外れたように一気にしゃべりだした。
「なんでも食べていいってレストランに連れてかれてさぁ。マイが食べる姿をじーっと見てるんだよ。ちょっと怖いくらい」
「やめてよ」
「そのあとカラオケも行ってね。ふたりで――」
「やめてって言ってるでしょ!」
両耳を塞いで、わたしは叫んだ。
はっとして顔を上げると、マイが驚いたようにわたしを見ている。
壁にかかった時計の針が、やけに大きな音で秒針を回す。