好きになっちゃダメなのに。

「……」

あんなに毎日頑張って呼びかけをやって。

今までの生徒会での速水くんの実績もある。

成績だっていいし、整った容姿から人気だってあると思う。


……負けるわけないって、心のどこかで油断してた。



私は結果に呆然としたまま、羽依ちゃんに連れられて教室に戻ってきた。


「ど、どうしよう。……やっぱり私のせいだよね?

須谷くんの推薦者、志賀先輩だもん。絶対そこで差が出たんだよ……!」


席についてもお弁当を口にする気にはなれず、思わずマイナス思考をそこまま言葉にしてしまう。

すると、向かい合わせに座って少し考えるような顔をしていた羽依ちゃんは、おもむろにポケットからスマホを取り出した。

何度か画面を指で操作して、そして私にそのスマホを渡してくる。


「あんまりこういうの、明李は気にしない方がいいと思って言わなかったんだけど……、これ」


「え……?」

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