Love Game



「瑞希」

「……」

「風呂に入りたいか?」

「えっ?」

突然なにを…

「ん?瑞希いつも風呂に入ってからでないと嫌だって」

「……」

「だから」

「ば、馬鹿!」

逆上せていた頭が働きだした。

漣は悪戯っ子のようにニヤニヤ笑いながら

「入ってきていいよ。少しの間なら待てるから」

でも瞳は笑ってない。

「う、うん。じゃあ」

「ん」

ソファーから立ち上がり

「漣は入ったの?」

「なに?お誘いしてくれてんの?」

もう! そのニヤニヤ笑いは止めなさいよ。

「違うわよ。漣もお風呂に入りたいんじゃないかって」

「俺はもう入ったし」

私の言葉を遮り

「さ、さっさと入って。俺の我慢の限界がくる前に」

私の背中を押してバスルームに。

「なるべく早くな」

ドアを閉められた。

バスタブには溢れんばかりのお湯。 さっき漣が止めてくれてたんだよね。

あの時、ドアを開けた時に漣がいるのを見て…夢かと思った。

私の心が生み出した幻影だと。

でも幻(マボロシ)でもいいとさえ思った。

漣の為… 漣に迷惑かけたくないから…

漣とはいずれ別れなければいけない時が来るのは分かっていた。

でも現実に『別れ』が訪れた時にはどうしようもなく辛くて哀しくてまるで体が鉛にでもなったかのように重たく心は何よりも『 漣』を欲して。

時間が癒してくれると思っていた。 あの『和司』の時のように。

でも日が経ち時間がどんなに流れても忘れることも出来ず… ううん、逆に何を見ても聞いても漣を思い出していた。



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