㈱恋人屋 TWICE!
「…どういうことですか?」
「これはあくまでも予測なんですけど…事故として処理させたのは、多分社長です。」
「よ、よく意味が分からないんですが…。」
龍馬さんのこめかみからは、ゆっくりと滴が流れていた。
「…自分の才能を大っぴらに使いたかったんですよ、恋人師っていう資格を作って。」
つまり、こういうことだ。
結婚詐欺師としての才能を生かすべく恋人師の資格化を進めていた矢先、恋人師になろうとしていた…いや、恋人師にさせられかけていた一人の女性が自殺した。もしそれが「自殺」と報道されたなら、きっと恋人師の資格化は見送られてしまう。その危険性を考慮し、事故として処理を終えるよう、当時から持っていた権力を使って警察当局に仕向けた。
「…だとしても、自殺の動機は?」
「それは…。」
唇を閉じ、言葉を押さえる。ダメだ。今こんなことを言ったら、龍馬さんは立ち直れなくなる。自分のしたことに重責を感じ、それをいつまでも引きずらなきゃいけなくなる。
…そう分かっていても。
「龍馬さんです。」
龍馬さんの思いには、きちんと答えた方がいい。それが例え、後悔しか残らないようなことであっても。
私は、恋人師だから。
「えっ…?」
「…龍馬さんは恋人師の資格化に反対していたのに、それが議会で通ってしまいましたよね? だから、多分その時、彼女さんはこう思ったんだと思います。恋人師になって、龍馬さんに恋人師の素晴らしさを分かってもらおう、龍馬さんに、恋人師推薦側の人になってもらおうって。このまま不満そうな顔で過ごしてほしくないからって。…きっと、彼女さんには一種のプレッシャーみたいなのがあったんだと思います。恋人師にならないとっていうプレッシャーが。…だから…それに耐えられなくなったんです。」
「そん…な…。」
龍馬さんは体の平衡感覚を崩し、近くの棚に寄り掛かった。
「これはあくまでも予測なんですけど…事故として処理させたのは、多分社長です。」
「よ、よく意味が分からないんですが…。」
龍馬さんのこめかみからは、ゆっくりと滴が流れていた。
「…自分の才能を大っぴらに使いたかったんですよ、恋人師っていう資格を作って。」
つまり、こういうことだ。
結婚詐欺師としての才能を生かすべく恋人師の資格化を進めていた矢先、恋人師になろうとしていた…いや、恋人師にさせられかけていた一人の女性が自殺した。もしそれが「自殺」と報道されたなら、きっと恋人師の資格化は見送られてしまう。その危険性を考慮し、事故として処理を終えるよう、当時から持っていた権力を使って警察当局に仕向けた。
「…だとしても、自殺の動機は?」
「それは…。」
唇を閉じ、言葉を押さえる。ダメだ。今こんなことを言ったら、龍馬さんは立ち直れなくなる。自分のしたことに重責を感じ、それをいつまでも引きずらなきゃいけなくなる。
…そう分かっていても。
「龍馬さんです。」
龍馬さんの思いには、きちんと答えた方がいい。それが例え、後悔しか残らないようなことであっても。
私は、恋人師だから。
「えっ…?」
「…龍馬さんは恋人師の資格化に反対していたのに、それが議会で通ってしまいましたよね? だから、多分その時、彼女さんはこう思ったんだと思います。恋人師になって、龍馬さんに恋人師の素晴らしさを分かってもらおう、龍馬さんに、恋人師推薦側の人になってもらおうって。このまま不満そうな顔で過ごしてほしくないからって。…きっと、彼女さんには一種のプレッシャーみたいなのがあったんだと思います。恋人師にならないとっていうプレッシャーが。…だから…それに耐えられなくなったんです。」
「そん…な…。」
龍馬さんは体の平衡感覚を崩し、近くの棚に寄り掛かった。