㈱恋人屋 TWICE!
「えっと…。

先輩のおかげで私、また本店時代の先輩達と会えましたし、今の社長のたくらみも知れました。

だから…です。」
「ははっ、そっか。」

先輩は微笑みながら私の頭をぽんぽんと優しく叩いてくれた。

「紗姫ちゃんって、本当変わんないよね。」
「どういうことですか?」
「本店の頃からずっとそう。素直じゃん。」
「そ、そうですか?」
「人って、自分で思ってるより分かりやすいもんなんだよ。」

ひょっとして…。

少し照れている私の気持ちも、友也先輩に見えてしまっているのだろうか?

私は先輩から目をそらした。

「あ、そろそろ時間だ。行かないと…。」
「えっと、引き止めてすみませんでした。」
「いやいや、そんなの気にしなくていいよ。」
「先輩。」
「何?」

少し間を開けてから、私は言った。

「頑張って下さいね。」
「うん。頑張ってくる。」

廊下を歩く先輩の姿を、私はその姿が見えなくなるまで見守っていた。

私の味方を、失いたくない。

もう一度戦うということになってから、改めてそう思った。
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