惑わしの5days・番外編集
名前で呼んだら、もしかしたら冴城君にも同じ気持ちを与える事が出来るかもしれない。


真実を話す勇気が無くてウジウジ悩んでいたあの時の私には、もう戻りたくない。


頑張れ、私……


「想…兵………」


私は持っている限りの勇気を振り絞り、冴城君の事を初めて名前で呼んだ。


「……へっ?」


まさか不意打ちを食らうとは思っていなかった冴城君は、目をパチパチさせながら私を凝視する。


「あの……私もこれから冴城君の事、名前で呼んでもいい……かなぁ?」


「………っ!もちろん!!ヤッベ、超嬉しいんだけどっ!!」
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