僕の幸せは、星をめぐるように。
「んー。お互い部活忙しくて中々ゆっくりできないこと?」
とユカチンがつぶやくと、
「あんま金もねーし、遠くにあんまり遊びにいけないことかぁ?」
とクニオが続く。
そして、ユカチン、クニオの順に……。
「一緒にご飯行くとコイツ食べるの早すぎて、すぐヒマそうにするとこ」
「散らかってるからって家入れてくんねーとこ。部屋片づけて欲しいかも……」
「時々おシゲちゃんって呼んでくるとこ。おめぇはしんべえか」
「名前で呼ばせてくんねーとこ。真面目な時はいーべや」
「すぐかまってちゃんになるとこ。宿題とかゲームに集中してる時に限って!」
「いいムードになるとぷぷって笑い出すとこ。ムード! 大切!」
わたしは目の前で言い合いをしている2人を見て思った。
……なぜわたしはノロケを聞かされているのだろうか。
「もういい! クニオはよく噛んで飯を食って、空気読んでちゃんと名前呼べばいーべ? ユカチンは片づけの魔法もう一回読んで、時にはデレましょう! んでもって、さっさど2人で一緒に帰れー!」
「あ、なるほどね」「んだな!」
もう! 幸せそうで何よりですことー!
結局、ユカチンは家の買い物があるらしく途中でバイバイした。
家までの道を久々にクニオと2人で帰る。
「さっきの続きだけど、クニオってさー、ユカチン家行ったことねーの?」
「んだぁ。おかげでとてつもなく健全なお付き合いしてるだ~」
「へぇ~。って、そこまで聞いてねーよ!」
クニオの家はだいたいお母さんがいるからな。
しかも気を遣って部屋にお茶とかお菓子とか持っていってそう。
ユカチンは親が共働きで日中いないらしいから、家に行くと2人っきりになれるはずなのに。
いろいろ事情があるんですね。