僕の幸せは、星をめぐるように。

不思議に思いながら洗面台の鏡を見ると、

そこに見えたのは寝癖+すっぴん顔の自分と、首筋につけられていたキスマークだった。


布団の上でテレビを見ている彼に向かって、思わずわたしは叫んでいた。


「ごめんね。昨日テンション上がっちゃってさー。マフラーで隠れるっしょ?」


「明日もう学校なんですけどー!」


「ちょっとファンデーション塗ったりすればいけるって」


「……ずるい、わたしもつける。ちゅーって強く吸えばいいんだよね?」


わたしは布団の上でごろごろしている阿部くんに襲いかかった。


両手を押さえつけてしゅっと伸びる彼の首筋に顔を近づけた。


「わー、ちょっとだめー!」


阿部くんは必死にガードしているけど、

筋トレの成果か前よりも彼の腕力に自分の力が追いついた気がする。


って、あまり嬉しいことじゃないけど。


「ってか、色んな意味でだめ! こらー!」


わたしの下には、頬を赤くしながら全力で抵抗する阿部くんがいた。

ちぇ、あと少しで唇が届きそうだったのに。


「じゃあ、せめて見えないとこならいいでしょ?」


わたしは阿部くんの浴衣の襟元をぐっと開き、綺麗に浮き出た鎖骨の下の部分に顔をうずめた。


「……ちょっ。ばか」


「ついた」


彼の白い肌に赤い印をつけることができた。

数日で消えるものらしいけど、嬉しくてわくわくした。


阿部くんの顔を見ると、


「えろい。やばい……。でも、もうすぐチェックアウトだよね。そんな時間だよね! あ~~~~!」


とわたしを極力見ないように目をそらし、自分に言い聞かせるように必死で言葉をまくしたてる彼の姿があった。


よっしゃ、エモーショナル阿部くん、3回目頂きましたぁー!

< 230 / 317 >

この作品をシェア

pagetop