僕の幸せは、星をめぐるように。


☆ ★ ☆


旅館のバスで最寄り駅まで送ってもらい、高崎行きの電車に乗る。

地元のものと少し似ている、真っ白な田園風景と山の景色が交互に流れていく。


「あ、おみやげ買うの忘れてた!」


えーと、ユカチン&クニオと陸上部のみんな。

あと一応家族の分も。


「じゃ、高崎で買い物しよっか。めちゃくちゃおいしいラスクがあって。みんなお土産で買ってくよ」


「ラスクかぁ。何かおしゃれ。いーね!」


高崎駅で一旦改札を出て、そのまま駅ビルへ。


洋菓子屋さんのコーナーにて、目的のラスクを購入する。

チョコがかかってるやつも美味しそう!

自分用にも買っちゃえ。


「へぇ~ここって結構都会だね~」


「一応、群馬の中の大都会だしね」


ここは在来線も新幹線も止まるターミナル駅らしく、駅ビルやホテルも併設されている。

まわりにもビルや百貨店が並んでいるようで、

駅中を通って、東西へ人が次々と流れていくし、お洒落な人も多い。


「そろそろ改札行こっか」


新幹線の時間が近づいてきた。

ああ、とうとう地元に帰らないといけないのか……。


「うん」


この2泊3日。

短い旅行だったけど楽しかったなぁ、と彼の手の温もりを感じながら振りかえる。


寂しさを感じつつも、色々思い出して心をほくほくさせていた。


「2回目以降って、全然痛くなくなるのかなぁ」


人ごみの中、無意識のうちにわたしはぼそっとつぶやいていた。


「じゃ、近いうちに試してみよっか」


繋がれた手の先から、普段通りの淡々とした声が聞こえた。


「……って。せーちゃんのバカー!」


わたしは急に恥ずかしくなり、顔を熱くさせながら、得意のへぼパンチを彼に喰らわせた。


「ちょ、話振ってきたのはそっちじゃん!」


でも、こういう彼との甘い雰囲気も好きになっていた。


『嬉しすぎて、ふと怖くなっちゃう』


昨晩の阿部くんの言葉、何となくわたしも理解できる。


たぶん彼のとは少し違う意味でだけど。


幸せすぎるのだ。

もう、怖いくらいに。


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