僕の幸せは、星をめぐるように。
CDラジカセから流れる音楽は、いつの間にかバラードっぽい曲になっていた。
それから、目的だったラインとメアド交換をしながら、少しだべっていたら、
突然、重たそうな扉が開き、2年生の上履きを履いた男子生徒が外の光とともに顔を出した。
「お、阿部ちゃん女連れ?」
「まあ、そんな感じです」
穏やかな表情のまま、さらりと阿部くんはそう言った。
何だろう。
もしわたしが阿部くんのことを好きだったとしたら、
彼の言葉にドキッとさせられる瞬間が何度もあるんだと思う。
阿部くんのペースって、優しくて、心地よくて、安心する。
わたしは、そろそろ帰るね、お邪魔しました~、と言って、部室を出た。
やっぱり不思議なクラスメイトだな~と思いながら、
ラインのグループを作って、阿部くんとユカチンとクニオを招待しながら帰った。