僕の幸せは、星をめぐるように。


「別に、阿部くんとはただ仲良くなりたいな~って思っただけ。おめーも阿部くんと仲良いべ? それと一緒」


「うーん、その気持ちはわかる気がする。あいつかっけーし」


自転車にまたがったままそう言うクニオ。


昼間はしっかりとセットされていた黒髪は、部活後のためかしんなりとしている。

薄暗い空の下でも、顔や腕がほんのり日に焼けているのが分かった。


ただの近所のクソガキだったクニオは、『黙っていればそこそこの男前』になったと思う。


若干、顔面がセンターに寄り気味で、かつ小学生の頃はデブで顔も大きかったため、

昔は地獄のミ○ワ先生が描くキャラクターのようだった。


中学からテニス部に入り、スリムになって、

おしゃれにも目覚めたようで、若干ルックスがマシになった。


しかし、モテ男が多い男テニなのに、騒がしくて面白くてうざいやつだからこそ、

女の子と仲良くはなりやすいけど、恋愛対象外キャラとなることが多いようだ。


< 27 / 317 >

この作品をシェア

pagetop