僕の幸せは、星をめぐるように。
「別に、阿部くんとはただ仲良くなりたいな~って思っただけ。おめーも阿部くんと仲良いべ? それと一緒」
「うーん、その気持ちはわかる気がする。あいつかっけーし」
自転車にまたがったままそう言うクニオ。
昼間はしっかりとセットされていた黒髪は、部活後のためかしんなりとしている。
薄暗い空の下でも、顔や腕がほんのり日に焼けているのが分かった。
ただの近所のクソガキだったクニオは、『黙っていればそこそこの男前』になったと思う。
若干、顔面がセンターに寄り気味で、かつ小学生の頃はデブで顔も大きかったため、
昔は地獄のミ○ワ先生が描くキャラクターのようだった。
中学からテニス部に入り、スリムになって、
おしゃれにも目覚めたようで、若干ルックスがマシになった。
しかし、モテ男が多い男テニなのに、騒がしくて面白くてうざいやつだからこそ、
女の子と仲良くはなりやすいけど、恋愛対象外キャラとなることが多いようだ。