僕の幸せは、星をめぐるように。


「阿部ちゃんは……うーん。俺に無いニヒリズムとシュールレアリズムを持っている」


「は?」


……きっと知ったかぶった単語を使っているんだろう。

全く意味が分からん。


けど、クニオと阿部くんはお互い無いものを持っているようで、お互いがお互いを興味深い存在として認識しているようだ。


そうしている間に、すっかり日は落ち、街灯の明かりがつき始めた。


ヘルメットを装着して自転車をこぐ中学生たちが、

会釈をしながら、わたしたちのそばを駆け抜けていく。


「んだ! 今度ユカチンも合わせて4人で宿題しよ!」


「お、いいじゃん! 俺この前の中間、マジキングダム級にバイヤーな成績だったし。ま、オラァまだまだ調子出してねーだけだけど」


喋る内容もあの先生の描くキャラクターそのもので、再びイラっとした。






< 28 / 317 >

この作品をシェア

pagetop