僕の幸せは、星をめぐるように。
「阿部ちゃんは……うーん。俺に無いニヒリズムとシュールレアリズムを持っている」
「は?」
……きっと知ったかぶった単語を使っているんだろう。
全く意味が分からん。
けど、クニオと阿部くんはお互い無いものを持っているようで、お互いがお互いを興味深い存在として認識しているようだ。
そうしている間に、すっかり日は落ち、街灯の明かりがつき始めた。
ヘルメットを装着して自転車をこぐ中学生たちが、
会釈をしながら、わたしたちのそばを駆け抜けていく。
「んだ! 今度ユカチンも合わせて4人で宿題しよ!」
「お、いいじゃん! 俺この前の中間、マジキングダム級にバイヤーな成績だったし。ま、オラァまだまだ調子出してねーだけだけど」
喋る内容もあの先生の描くキャラクターそのもので、再びイラっとした。