僕の幸せは、星をめぐるように。




高校時代は楽しかった。


1年生の最初の頃は、特にやることもなく、ぼーっと毎日を過ごしていたけど。


大好きな友達と一緒にロックフェスに行ったり、

その友達同士がカップルになる手助けをしたり、

格好良くて優しい彼氏ができたり、別れたり、

走り幅跳びを再開して、大会でたくさん賞を取ったり、

念願のインターハイに出場したり。(結果はボロボロだったけど)


あ、学校の成績は最後までパッとしなかったな。


卒業してからは、隣町のデパートにある雑貨店に勤務している。



わたしは、このままこの町に住んで、結婚して、子どもを生んで。

生まれた頃からほとんど変わらない環境の中、そうやって一生を終えるんだろうな、と思っていた。

すでにママになっている中学時代の友達も何人かいるし。


別にそれでいいんだけど。

そして今、彼氏なんかいないんだけど。



心の中にはぽっかりと穴が開いたままだった。



「ただいまー。あー疲れた……」


仕事を終え、けだるくなった体。

家に帰ると、いつも居間のソファーに突っ伏してしまう。


でも、今日は――。



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