そこにいる
「そうして、もう1点・・わざわざ悪人を断定してゲームに参加させる事はございません。

もう、こちらにいらっしゃる皆様もご存知の通り、善悪の判断バランスなど、私は元もと平民には期待いたしておりませんので、どなたでもゲームにご参加頂けるよう促していただけましたら幸いです。」



「いい加減にしろよっっ!!シンを解放しろっ!!」



僕はテレビに近づいた。

画面の中の男に向かって、何が出来るでも無かったが、そうせずにはいられなかった。



「ククッッ・・・面白いですねぇ・・人間とは。

本当に醜い。

愚かで、その様に感情をむき出しにした時は、理性というものが剥がれてしまいますからねぇ・・・。

とても馬鹿で、扱いやすい・・クククッッ・・・・」


僕らはこの男に、精神の全てを掻き乱されていた。

シンも菜都も・・僕も・・・。



「アナタも、早く高杉様のようにクリアなさって上級プレーヤーになられる事を期待いたしておりますよ。

なによりアナタは運がいい・・。

そうでしょう?これだけの情報を他のプレーヤーよりも知る事が出来たのですから。」



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