光のもとでⅡ
「あれだよね? リィの成長も楽しみだけど、司っちがどこまで我慢できるのかも見もの。たかだか着物姿のリィを見ただけで戸惑ってるなんてさ。司っちのかわいい一面を見た気がするけど……くくく、そろそろ秋斗さんが付け入る隙、出てくるんじゃないの? あ! そうだ! 秋斗さんにこの情報流してあげよーっと!」
 くる、とデスクチェアを回転させ、タイピングを始めた唯を取り押さえる。羽交い絞めにして、
「やーめーとーけっ」
「だって、面白いじゃん!」
「面白がるなよ……」
「あんちゃんは相変わらず過保護だなぁ……。ムラムラしている司っちよりは、万年発情期の秋斗さんのほうが安心かもよ? たぶん、次に秋斗さんにチャンスが回ってきたら、あの人絶対にそのチャンスは逃さないだろうし。いくら自分がヤりたくても、次は絶対にリィのペースに合わせるよ? そっちのほうがいいんじゃない? ほらほら、会社や仕事と同じでさ、男だって競合させたほうがいいんだって! そのほうがよりいい物件をリィに与えられるじゃん」
 言われてしばし考えた。考えに考えて、自分も唯に遊ばれていることに気づく。
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