片恋シリーズ~鎌田公一編~
「謝らなくていいし……。今は振られるかもしれないって思って告白したけど、そんなに緊張はしてなかった。それよりも、振られたあと、友達を続けられるかそっちのほうが不安で……。こちらこそ、これからも友達でいてくれるのありがとう」
 どちらからともなく握手を交わす。と、そこに藤宮くんが現れた。
「藤宮くん、インターハイ進出決定おめでとう」
「……ありがとう」
 無表情というよりも仏頂面な感じ。もしかしたら今の会話を全部聞かれていたのかもしれない。
 でも、聞かれていようといまいとどっちでも良かった。
「そんな怖い顔しないでよ。俺、御園生に振られたばかりなんだから」
「それはご愁傷様」
「御園生の彼は手厳しいね」
 クスリと笑うと、
「うん、基本的には私にも厳しいよ」
 そう言って御園生も笑う。
「振られちゃったけど、これからも御園生とは友達でいられるみたいだから、できれば藤宮くんもよろしく」
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