全部、抱きしめて
端は進み、ビールも一杯だけだと思っていたけど三杯も頼んでしまった。

そして、お腹を満たしたあたし達は店を出ることにした。お会計は大瀬良さんのおごり!
半額出そうとしたのに受け取ってくれなかったんだ。


「一岡が飲んでるの見てたら、オレも飲みたくなってきたな」

車のエンジンをかけながら大瀬良さんが言った。

「飲むならつき合いますよ」

「一岡、酒強いんだな」

「はい。あんまり酔わないですよ。どれだけ飲んでも記憶はきちんとありますからね」

「じゃあ、男はうかうか手も出せないな」

「大瀬良さん、酔わせて手出すつもりだったんですか?」

「そんなことしないよ」

だけど、この数時間後、大瀬良さんはあたしに手を出してしまうのだ。
この段階では2人の会話は冗談に過ぎなかった。



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