全部、抱きしめて
大瀬良さんが、一度トイレに行った時、バックに入れておいたスマホを取り出した。

メールもLINEも着信もなし。
連絡あるわけないか......。
虚しさと淋しさを感じながらため息をついた。

振られた相手から連絡なんてくるハズなんてないのに、元カレからの着信を期待するなんてあたしは女々しい女だ。相当なバカ女だ。

そんなことを思いながら、スマホを閉まっていると大瀬良さんがトイレから戻ってきた。

ふとぶつかる視線を慌てて逸らしてしまった。今のあたしは相当暗い顔をしてたハズだ。
何か気付いたかもしれない......。

大瀬良さんは、クールにお酒を飲んでつまみのチーズを口に含んだ。

知らない顔をしてくれているんだろうか? でも、さっきと明らかに違う雰囲気になったのは気のせい?

「一岡」

「はい?」


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