全部、抱きしめて
「もう飲まないのか?」

「あっ.......」

飲みかけのカルアミルク。

「別に無理して飲まなくていいからな。」

「まだ全然イケますよ! 」

そう言って、グラスを手に取ろうとした時、手を滑らせグラスが倒れてしまい、当然、中身もこぼれてしまった。

大瀬良さんは、キッチンに布巾を取りに行きテーブルの上を拭いてくれた。

「すみません」

「気にするな。って、え? 何で泣いてるんだよ?」

「ううっ.....」

大瀬良さんは、どうしたらいいのか分からない様子で、突然泣き出したあたしを見ていた。

こんな所で泣いてしまうなんて。
大瀬良さんもさぞかしいい迷惑だろう。
直の部下でもない女が大泣きしているんだから。
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