いつだってそこには君がいた。



でも。それでも、いい。怒られたってへっちゃら。
キラキラしたこの時間、大事にしたい。



「うお、お前らギリギリすぎ」

「つかアウトじゃね?」

「先生来てねーからセーフっしょ!」



教室に入るとクラスメイトたちが声をあげる。
それに息を切らしながら答えるのは高橋くん。

沙月ちゃんが着席して、その後ろに私も座る。



「焦ったね」

「先生追い越しちゃったもんね」



そう言い合ってふたりでクスッと笑った。



「あとでそのネクタイ結びなおしてあげるね」

「え?」



私の胸もとを指さして微笑む沙月ちゃんに目を見開く。



「ありがとう」



……これだけのことでって言われるかもしれないけど。
泣きそうになったのは私の中の秘密。


いつもとなんら変わらない転校だと思った。
今まで何度も体験して来た転校だって。

だけど、明らかにこれまでのものとは違う。


私、ここに転校して来て良かったって、心の底から思ってるよ。


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