いつだってそこには君がいた。



今までにないぐらい胸がザワザワするんだ。
これがなんの現象なのか、私は知らない。
……心当たりがないわけじゃないけど。



「あ、愛希がシュート決めた!」

「ナイッシュー!あいきぃーっ!!」



女子たちのかけ声に気づいた高橋くんが本当に嬉しそうに笑ってこちらに向かって拳を突き上げた。


かっこいい……な。
この気持ちに名前があるなら、たぶんそれは、きっと……。


ううん。まだわかんない。
だって私は人より遅い"はじめて"を今体験していってる。


まだ早いよ、私には。

恋、なんて。


たとえ高橋くんに感じているこの気持ちが恋だとしても、私には到底ムリだ。
叶いっこない。
あんな人気者、天と地がひっくり返ったってあり得ない。


この気持ちはきっと"憧れ"なんだ。

ただ高橋くんの底ぬけのない明るさに惹かれているだけ。


あのキラキラした笑顔に。優しい性格に。
私が憧れているだけ。きっとそう。



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