いつだってそこには君がいた。



「な、なんですか」


「いや、別に。なんでも?」


「……?」



不思議に思いながらもメガネをかけなおして視界をクリアにする。


結城くんに話せてすこしスッキリした。


教室に帰ったら沙月ちゃんと話そう。


実は私も高橋くんが好きなんです、ごめんなさいって。

でもこれからも友だちでいたいってことも、ちゃんと。


自分の気持ち、口にしないと伝わらない。


きっと、今、私がこうして思って考えていることを、沙月ちゃんはなにも知らないのだから。



***



授業が終わるチャイムを聞いて結城くんとふたりで教室に戻る。


話すって決めたけど……き、緊張してきたかも……!



「ゆりりん」


「えっ」


突然呼ばれたニックネームに驚く。
隣で歩く結城くんが軽く微笑みかけてくれる。



「スマイルだよ」



笑顔……?



「優梨ちゃん‼︎」



その時。私を呼ぶ声がして、前を向く。

教室から走って来たのは沙月ちゃんだった。



「沙月ちゃ……」


「さっきはごめん‼︎優梨ちゃんのこと傷つけたよね⁉︎」


「いや、えっと……」


「本当にごめんね⁉︎」



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