いつだってそこには君がいた。



私の言葉を制止して、沙月ちゃんが「なにか勘違いしてない?」と言った。


勘違い……?



「私が好きなのは、空斗だよ?」


「そらと……?」



空斗って……まさか結城くん!?



「えぇ!?」



まさか!そんな!


驚きを隠せない。


だって、だって……‼︎



「幼なじみが好きって……!」


「空斗も幼なじみだよ?私と愛希と空斗。3人とも、幼稚園の頃から仲良しだから」



笑顔の沙月ちゃんと口をポカーンと開けた私。


……全然知らなかった。そうだったんだ。


え、じゃあ私がかってに勘違いをして、落ち込んで、悩んでたってこと……?


っていうか!
結城くん私に「ふたりは幼なじみだから」って、自分のことは教えてくれなかったよね!?


わざと!?わざとなの!?
そうだとしたらやっぱり前言撤回!


結城くんは意地悪な人だ……!



「ふふふ。そっかぁ、優梨ちゃんはやっぱり愛希が好きなのか」


「やっぱりって?」


「いや、たぶんそうだろうなぁーって思ってたから」



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