いつだってそこには君がいた。



自分の心を決めて、自室を出る。



「おはよう、お母さん」


「おはよ……う!?」



リビングへ向かうとキッチンに立つお母さんにいつもと変わらないように挨拶をした。


驚いた顔をして、目をパチパチさせて、私の顔をまじまじと見るお母さん。


それを「どうしたー?」と、ソファで新聞を広げていたお父さんがこっちを見て唖然とする。



「お、おかしいかな……?」


「ううん!そんなことない!素敵よ!」


「おう、そうだぞ。おかしくなんてないぞ」



顔に花を咲かせて私の変化を喜んでくれるこのふたりの温かさに胸がいっぱいになる。

不安だった心も、すこしだけ明るくなった気がする。

自然と笑えた。


……私、このふたりが大好きだ。



「行って来ます」


「行ってらっしゃい」



お母さんに見送られ、通学路へと歩を進める。


浮き足たったようにいつもの道なのに違和感を感じるのは胸のドキドキの副作用かな。


お母さんたちに褒められて嬉しかったし、不安も少しは取り除かれたけど……やっぱりふたりは両親だし。


甘めに見てくれるのはわかってたことだから。


一番ハードルが高いのはやっぱり学校にいくことだよね。


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