いつだってそこには君がいた。
深く息を吸って、すこし上を向いて空に吐いた。
……空、青いなぁ。
いつも下ばかりを向いていたから、気づかなかった。
ちょっと上を向いたら綺麗なものが見れること。
上か下か。そんなすこしの変化だけで、目に映る景色が変わるなんて、思いもしないよね。
いつもひとつにくくられている髪の毛が風になびくことも、短くしたスカートがそのすこしの風にめくられないか不安になることも。
昨日までの私は知らなくて、今日の私が知っている。
……ちょっと、不思議かもしれない。
そして、ちょっと、笑顔になれるかもしれない。
「……よし」
頑張ろう。
学校まで、もうすこしだ。
***
学校の門を通り抜け、昇降口へ向かう。
たくさんの生徒が登校して来ていて、なにごともなく上靴に履き替えた私。
とりあえず「ふぅ」と息を吐いといた。
月曜日。
お休み明けで賑わうその中で、「え!うそ、日高さん!?」とびっくりしたような声を耳がひろった。
ついにその時が来たのかもしれない。
ドキドキしながら声のした方へ振り向くとクラスメイトの女の子が「やっぱり日高さんだ!」と笑顔で私に駆け寄って来た。