陽だまりをくれたきみが好き。


うつむくと無意味に内田くんの人差し指にはめてあるシルバーリングを見つめた。


腕まくりをされた制服。血管が浮き出た、私とは違う男の子らしい腕から思わず目をそらす。



「……わーったよ」



ポンと、頭上に乱暴に置かれた手。



「たく、しゃーねぇーな」



見上げると整った顔が思ったよりも近くにあって、ビク!と肩をゆらしてしまった。


……内田くんて、男の子だよね。


なにを今更そんなことをって思うけど、改めて実感すると

なんか、変な感じ。



「なに黙ってんだよ。ありがとうは?」


「…っ、ありがとうございますっ!」


「ははっ。どういたしまして?」



内田くんが笑ってる。

綺麗な顔をくしゃくしゃにして。


それだけで、もう、嬉しいの。


私、きっと内田くんのこと大切だと思う。


大切な、大切な、友だち。


< 100 / 206 >

この作品をシェア

pagetop