陽だまりをくれたきみが好き。
呼ばれた私と内田くんが立ち止まる。
顔をあげて目に飛び込んで来たその人物に一瞬で心と身体が凍りついた。
あ……え……。
「……さ、佐々木くん……?」
そう。
その人物は……。
『お前なんか一生いじめられてろ!』
あの頃のいじめの主犯格だった人物。
……佐々木くん。
目の前にいる彼がついこの前の卒業式の時となにも変わらなくて。
だからか、笑えるくらい動揺を隠せなくて、くちびるも手も、なんだか震えて。
過去の記憶と、当時の感情がいっきに溢れて、となりにいる内田くんを見るだけで精一杯だった。
「……お前どうしたんだよ」
キュっと内田くんの制服を握る。
……ダメだ。
私、過去とはさよならできてない。
「なんだ川口、お前ここの生徒だったのかよ。となりのイケメンは彼氏?」
「……え…と……」
「なわけねぇーよな?こんなイケメンがお前に惚れるなんて天と地がひっくりかえってもありえねぇーよな」