陽だまりをくれたきみが好き。


『みんな〜。川口のことはムシしよーぜー』


『おっけー!』



クラスではもちろん一人。

悪口を目の前で言われて、物を隠されて、汚ない雑巾を投げつけられたりもした。


辛く、苦しい、地獄のような毎日だった……。



『ブサイクで、根暗で、キモいお前がわりぃーんだからな!!』



グサリ、えぐられるような心の痛みに、泣くこともできなくなっていた。


それでも夜になれば苦しくなって枕を涙で濡らす毎日。


……ブサイクで、根暗で、キモい私がいけないんだ。


こんな醜いすがたで生まれて来た、私が、いけないんだ。


だから、いじめられるんだ。



『麻衣、学校に行きなさい』


『……行きたくない』


『ダメよ』


『やだ……っ』



朝目覚めてもベッドから起き上がれなくなって一週間ぐらい学校に行かなかった時もあった。


行けなかった。

みんなのいる学校になんか、行けるはずもなかった。


ブスって言われたくない。
キモいって、言われたくない。


こんなすがた、誰にも見られたくない。


私は、私が、恥ずかしい。


< 28 / 206 >

この作品をシェア

pagetop