裏腹な彼との恋愛設計図
会社へ戻ると、すでに炭は準備万端らしく、皆は談笑して待っていた。


「やべ、早く行かなきゃ」

「あ、うん──!?」


その時、矢城くんはものすごくナチュラルに私の手を握って走り出した。

そのまま引っ張られる形で、皆の前に到着。


「お待たせしました!」

「ありがとー! じゃあさっそく焼きましょ」

「あと花火も買ってきたんで、後でやりましょうね」

「このメンバーで花火かよー。絶対面白いじゃん」


絵梨子さんや古賀さんと笑って話す矢城くん。だけど……

このさりげなく繋がれた手は、いつ離してくれるの!?


微妙な笑みを浮かべつつ手を離す機会を伺っていると、私達を見る柊さんに気付く。

なぜか眉根を寄せている彼と目が合うと、ふいっと顔を逸らされた。

あれ、またご機嫌ナナメですか?


柊さんが無愛想なのはいつものことだけれど、彼の機嫌が悪い時の微妙な変化も私は見抜けるようになっていた。

さっきまでは普通だったのに……。


「あっ! すみません、つい」


肉を焼き始める柊さんを見ながら考えていると、矢城くんは思い出したようにぱっと手を離した。

本当に“つい”なのか疑いたくなるけれど、頬を赤くしているところからすると嘘じゃなさそう。

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