裏腹な彼との恋愛設計図
「柊さん、ビールまだありますか?」

「あぁ……じゃーもらう」

「はいどうぞ。私、焼くの代わりますよ」


椅子に座る柊さんに缶ビールを手渡すと、私を見上げた彼は無表情のまま答える。


「いいよ。お前は肉食ってろ」

「……なんかそれ、私が食いしん坊みたいでやなんですけど」

「食いしん坊だろ。この間向井さんが持ってきてくれたシュークリーム、一人で三個食べたのは誰だ」


うっ。たしかに、余った分を遠慮なくいただいたのは私です……。

「皿持ってこい」と言われ、渋々紙皿を取って柊さんの隣にしゃがむと、ちょうど良い色に焼けた豚トロを乗せてくれた。

美味しそうなそれから柊さんに目線を移すと、彼は意地悪そうに口の端を上げる。


「共食いだな」

「私は豚じゃなーい!」


ひどっ!と驚愕する私に、彼は突然手を伸ばしてくる。

何かと思ったその瞬間、人差し指で鼻をぐいっと押し上げられた。


「ぶっ。ほら、豚」

「こらー!!」


真っ赤だろう顔で怒ると、柊さんは久々に無邪気な笑顔を見せた。

あぁもう、からかわれているだけなのに嬉しくなってしまう私……やっぱりどうしようもない。

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