裏腹な彼との恋愛設計図
「俺のことが好きなわけでもないのに、からかわれるのが嫌で迷惑だって言ったんだろ？」

「え……！？」

「あの時、やっと気付いたんだ。鈴森は同情か偽善みたいな気持ちで接してただけだったのに、俺が勝手に勘違いしてたんだって。実際、金井翔吾と付き合ってたみたいだし」


──身体の奥で、ドクンと嫌な音がした。


私は、皆にからかわれるせいで三好くんと思うように話せないのが嫌だったから、迷惑だと言った。

でも、彼は違う捉え方をしたんだ。


それに加えて翔吾くんが言った、『こいつとクリスマス過ごすのは俺だ』という、その場しのぎの嘘。

それを信じてしまった彼は、“彼氏がいるのに何故自分と仲良くしていたんだ？”と思ったに違いない。

同情や偽善で仲良くしていたのだと、誤解されても仕方ないのかもしれない──。


嘲笑を浮かべた彼は、やりきれない思いを飲み込むかのように、ジンライムを呷る。


「イタい奴だろ俺。だから嫌なんだ、そんな惨めな自分を思い出すのは」

「違います！　あれは言葉のあやってやつで、誤解なんです！　だって私──」

「別にもう、今さら真実がどうだったかはどうでもいいし、知ろうとも思わない。……“三好隼人”は、もういないんだから」

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