裏腹な彼との恋愛設計図
二度目の告白は、とても自然だった。

何の気負いもなく、すんなりと口から出ていた。

ただただ、彼の心を私に開いてほしい、その一心で。


柊さんは特別驚いた様子もなく、一瞬ふっと嘲笑うような笑みを浮かべると、私から目を逸らした。


「……どうだか。矢城にも元カレにも言い寄られてヘラヘラしてる奴の言うことなんて信じられるか」


枯れ葉のように、力無く落ちていく彼の声。

……あぁそうか。柊さんはいまだに、簡単には人を信じることが出来ないんだ。

私の手を離そうとも、握り返そうともしないのが、信じたくても信じられない彼の心情を表しているような気がする。


私のこの気持ちが本物だって、どうすれば伝わる?

少しだけ考えて、私は一度小さく深呼吸をし、握っていた彼の手を離した。


「……じゃあ、これならどうですか」


柊さんの方に身体を向け、彼の肩に手を伸ばす。

そして、彼がこちらを向いた瞬間に、思い切って顔を近付けた。


──しっかりと押し付けた唇。

色気なんてあったもんじゃないキスだけど、これが私に出来る精一杯の愛情表現。

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