裏腹な彼との恋愛設計図
時折目が合うと、それが合図になったようにまた唇を重ねる。

いつの間にか抱きしめ合い、ソファーに座りながら絡まる私達。

ここがレストランだということも、彼が私を本当はどう思っているのかわからないことも忘れて、私はただ身体を火照らせるだけ──。



その時、テーブルの上に置いてあった隼人さんのスマホが、雰囲気を壊すように音を立てて震えだした。

一瞬でお互い我に返るものの、すぐには離れられず、目を見つめ合う。


「……で、電話、ですか?」


なんとか平静を装って問い掛けると、隼人さんは軽くスマホを一瞥して、また私に色めく瞳を向ける。


「どうせたいした用じゃない」

「でも……」

「止めてほしいか? このまま」


──ドキン、と一際大きく心臓が跳ねる。

私がノーと言ったら、いったいこの身体はどこまで熱くさせられるのだろう。

息を呑み、思わず首を横に振ろうとした時、私の腰に回されていた腕がすっと離れていった。


「……つーか、止めなきゃいけねぇよな。何やってんだ、俺」


くしゃりと前髪に手を潜らせる彼。たしかにそうだよね、と少しの安堵と残念な気持ちが混じり合う。

そんな自分も恥ずかしくて、私は乱れたスカートを直しながら顔を俯かせた。

< 208 / 280 >

この作品をシェア

pagetop