裏腹な彼との恋愛設計図
「……私、兄がいるんですけど」


突然話し始めた私を、顔を上げた隼人さんは怪訝そうに見やる。


「お兄ちゃんが東京の大学に進学して一人暮らししてた時、全然連絡寄越してこなくって。
お母さんは、『生きてるか死んでるかもわからないし、もう知らないわあんな息子!』とか言ってたけど、本当はずーっと心配してたんです。たぶん、隼人さんのお母さんも同じですよ」


子供を愛している親なら、きっとそれが普通のはず。

迷うように揺れる彼の瞳を見つめ返し、私は思い切って説得してみる。


「お母さんに捨てられたって話なら別だけど、隼人さんは自分から家を出たんでしょう? きっとお母さんは話したいことがあるだろうし、何より会いたいはずです。
ちょっと向き合ってみたらどうですか? そうしたら、過去を乗り越えられるかもしれない」


私だって乗り越えてほしい。辛かった昔のことも、全部受け止めて。


すると、すぐにまたスマホが震え始めた。

きっと同じ、隼人さんのお母さんからだろう。


「出た方がいいですよ」

「……いいって」

「二回も掛かってくるなんて、何かあったのかもしれないじゃないですか!」

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