裏腹な彼との恋愛設計図
本当は隼人さんだって気になるくせに……!

震え続けるスマホを一向に取ろうとしない彼に痺れを切らし、代わりに私がそれを取って彼の手に渡す。


「はい。出てください」

「やめろ」

「意地張ってないで、ほら!」


私と隼人さんの間でスマホが行ったり来たり。

これじゃダメだと思った私は、勝手に画面を操作して通話ボタンをタップした。


「おま……っ」

「逃げてちゃ明るい未来は作れませんよ!」


かすかにお母さんらしき女性の声が聞こえる中、“この紋所が目に入らぬか!”と言わんばかりにスマホを彼に見せ付けた。

唖然としていた隼人さんだけれど、観念したように一つため息を吐き、私の手からスマホを取って腰を上げた。


「あっ、私が出ていきま──」

「いい」


うっ。地鳴りのような低い声に、怒りマークが見える表情……

私はピシッと固まり、個室を出ていく彼を見送った。


お節介なことして、また怒らせちゃったかな……。

でも隼人さんだって、忘れたいだなんていうのは本心ではないはず。

彼はきっと、裏腹な人だから。

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