裏腹な彼との恋愛設計図
*
それから約一時間後。
「本当に帰っちゃった……」
「ですね」
古賀さんと絵梨子さんが置いていったお金を眺めながら、矢城くんとともに小さく息を吐き出す。
少し食事した後、二人は『じゃ、俺達はこれで!』と突然言い、私達が呆気に取られている間にさっさと帰ってしまったのだ。
なんか、あからさまに私と矢城くんを二人きりにしようとしてるよね……?
賑やかだった二人がいなくなって、急に矢城くんとの距離の近さを意識してしまう。
向き合って座ってるならまだしも、隣り合わせだからなぁ……。
矢城くんと二人でいるのは全然嫌じゃないけど、何だろう、この微妙な空気は。
この空気を打開すべく、私はグラスに残ったモスコミュール(スピリタスなんて頼むわけない)をぐびっと飲み、何食わぬ調子で問い掛けてみた。
「ねぇ、古賀さんと絵梨子さんってどうなの?」
ざっくりした質問だけれど、矢城くんはすぐに意味を理解したようで、うーんと唸る。